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山川機長のフライトログブック 2020

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2021/12/15

Flying to the Bloop Museum

知り合いが数年前からレトロコンピュータ博物館、the Bloop Museumを始めた。往年の名機が大半が稼働状態で展示されている。他の博物館と違って、実際に電源を入れて使ってみることができるのが違う。多くのコンピュータ博物館ではコンピュータはガラスケースの中に入っていて電源を入れて動かすことはできない。彼の博物館はそこが違う。しかし、あれほどのコレクションを稼働状態に維持するのはかなりの労力がかかっているはずだ。

そして、彼は日本のコンピュータにもかなり知見があって、日本のレトロコンピュータの展示を始めるということだったので、FM77AV40を一台寄贈することにした。寄贈してもまだ手元にはAV40一台、AVが2台あるから実機テストには十分な装備だ。

The Bloop Museumはペンシルバニアの隣のメリーランド州ハントバレーにある。車で走ると片道4時間かかる。が、Westminster Carrol County Airport (KDMW)まで飛んだら彼が車で迎えに来てくれるということなので、飛んでいくことにした。車でビーバーまで1時間、飛行時間は行きがやや追い風で1時間半、帰りが向かい風で2時間程度の予想だった。帰りは時間としては1時間の短縮にしかならないが、車の運転に比べて飛行機の操縦は圧倒的に疲れない。まして、Beaver Valley Flying Clubのセスナは自動操縦があるから、基本リラックスしていられる。丸一日セスナを予約するのは以前フライトスクールから借りていた時と比べると楽になったが、それでも早めに予約する必要があった。長期予報を見て12月15日の水曜日、有給を使って飛ぶことにした。

しかし、天気の変化が長期予報よりも早まり、当日の予報は曇りに変わった。冬場で曇りは良くない。クラブのセスナには防氷装置がついてない。氷点下で雲に入るのはアイシングの危険が高すぎる。せめて高度が低ければ気温も氷点下までは下がらないのだが、アパラチア山脈を越えるときどうしても6000~7000ftまで上がらなくてはならない。と、思ったら、異常気象の影響で当日の気温は地上で4.4度。普通なら上空に上がったらどんどん気温が下がるはずだが、このときは都合がいいことにTemperature Inversionという現象が起きていて、6000ftぐらいまでは逆に気温が上がっていく状態。氷点下どころか結構あったかいらしい。半信半疑だったものの、前日になりあらゆる予報はアイシングの危険が無いという予報になった。しかも、曇りというのは高層の雲がほとんどで、巡航高度の6000~7000ftでは雲に入る可能性は低かった。そういわけで飛行を決定!


Cargo in the back seat. Within weight and balance.

ビーバーを10時に離陸。行きは、St. Thomas VOR (THS), SCAPE Intersection経由で以後GPS Directルートでフライトプランをファイルする。クロスカントリーを飛ぶときはIFRで行くのが楽だし、KDMWはワシントンDC VORTACから60マイル圏内なので、IFRで行った方がなにかとセキュリティなんちゃらにひっかからないので安心だ。ビーバーではファイルした通りのクリアランスが出て飛んでいくが、Johnstown近くでクリアランスに修正が入る。飛んでる途中でクリアランスに修正が入ったのはこれが初めてだった。Hagerstown VOR (HGR), Westminster (EMI)経由とのこと。その後、KDMW上空3500ftにオーバーキャストレイアがあるので、ヴィジュアルアプローチにするか、他のアプローチがいいかと聞かれたので、GPS 16アプローチをリクエスト。ポトマックアプローチは、UNYTSインターセクションに向かうようにとのこと。そのようにIFD 440にUNYTSインターセクションを入力。その後、3000ftまで降下して、GPS 16アプローチのクリアランス。IFD 440にUNYTSインターセクションを入力、次にKDMWのGPS 16アプローチをUNYTSインターセクション経由とセットして、準備OK。の、つもりだったのだが。オーバーキャストレイアは3500ftだったので、UNYTSインターセクション到達はるか手前で雲の下に出た。右手に空港も視認。が、一応GPS 16アプローチということなので、そのコースに沿って飛ぶつもり。で、UNYTSインターセクション到達より手前でローカライザーとグライドスロープがアクティブになる、と完全に期待していたのだが、いつまでたってもアクティブにならない。UNYTSインターセクションはどんどん近づいてくる。もうナビゲーションのポイント全消しして再度入力しなおした。そしたら、今度はいったんKDMW上空を通過してからぐるっとまわってGPS 16コースに乗る変なコースが出た。仕方ないんでそのまま目視で降りたよ。

これ、実IMCだったらどうすんだ!?と思ってその後IFD 440のシミュレータで試したところ、どうやらGPS 16でUNYTSインターセクション経由を選んでしまうとコンピュータはフルアプローチを飛ぶものと思うらしい。その場合、UNYTSインターセクションでプロシージャターンというコースを飛ぶことになるので、ローカライザーとグライドスロープが出なかったらしい。日頃ローカルなアプローチの練習ではいつもVector to Finalしか使わなかったもんな。実IMCじゃなくてよかった。また、UNYTSインターセクションに向かうように指示があって、ウェイポイントにUNYTSインターセクションを入れてしまった後だったから、UNYTSインターセクションに到達するまでアプローチがアクティブにならなかったのかもしれない。次からとくに指示されない限りVector to Finalを使うことにしよう。


Parked at KDMW

空港にはその友達が迎えに来てくれた。無事FM77AV40も空輸することができた。空港で唯一苦労したのはセルフサービスの給油だったけど。あれ、どうやるのが正しかったんだろうな。どうやってもホースを巻き取ろうとするから引っ張られて転びそうになるし。

博物館は、果たして、非常に興味深い機種がたくさん展示してあった。日本のコンピュータも多くて、X68000, PC9801, MSX2などが並んでいた。その列にFM77AV40が加わった。世界初のグラフィックワークステーション、Xerox Altoが電源が入る状態で展示してあり、グラフィックプログラムは入ってなかったようだが、起動するとこまでは見ることができた。


FM77AV40 at the museum.

X68000.

And consoles

博物館にMSX2があると思って、前から気になっていたMSX2用The Cockpitを持って行って走るかどうか試させてもらった。このカートリッジは数年前にBeep秋葉原で見つけて、「MSX2にもThe Cockpitって移植されてたのか!?」と思って買ってきたものの、MSX2本体が無いもんだから動作確認できずにいたものだった。今回晴れて動作確認。



The Cockpit for MSX2

Xerox Alto

帰りは9時近くの離陸になった。KDMWには管制塔は無い。代わりにRadio Communication Outletという周波数があり、ポトマックアプローチからIFRクリアランスをもらえることになっていたのだが、誰も応答してくれない。この場合、電話でポトマックアプローチを呼ばなくてはならない。この日のためにiPhoneをヘッドセットにつなぐアダプタを買っておいて良かった。初めて、電話でクリアランスをもらった。


Pittsburgh Downtown on the way back to KBVI.

帰路は単に来た時のウェイポイントを反対にたどっていくコースをファイルしたのだが、クリアランスは、「管制空域をWestminster Vor (EMI), レーダーベクターで Martinsburg VOR (MRB), ELGEEインターセクション, Indianhead VOR (IHD), NESTOインターセクション, その後GPSディレクト」という複雑なコースを指示された。結局、飛び上がってEMI通過する前にIndianhead VORに直行と管制官から指示された。帰りは30ktの向かい風。結局2.3時間のフライトで、ビーバー到着は22時48分だった。飛行機とレトロコンピュータという趣味を一度に堪能できる日だった。

このフライトで、2021年の合計飛行時間が46.3時間になった。自分は年間50時間を目標にしているが、ここ数年届いていなかった。あと2フライトで50時間、と、思ったのだが、一度は強風、もう一度は雨と低い雲と視程悪すぎで飛ぶことができなかった。残念。

2021/08/29

GoProクーリングファン完全版をナイアガラでテスト

7月4日のアメリカ独立記念日、ピッツバーグダウンタウンの上空から見る景色は絶景だった。どの方向を向いても花火。もちろんダウンタウンの花火が最も派手だったが、ショッピングモールから打ちあがる花火もなかなかのもの。ここペンシルバニア州では個人が購入できる花火の中にも結構派手に打ちあがって上空で広がるようなものがあり、無数の光の花が咲いている。

これを、操縦しながらiPhoneでビデオ撮影してみたところ、結構綺麗に写っていた。しかし、これほどのものならば、もっとしっかりしたビデオカメラを使って撮影しておくべきだったかと少しだけ後悔した。8月にはNice Aviationからセスナをレンタルしてサンフランシスコの上空を飛ぶことにしていたから、そのためにGoProに投資することにした。

これまで、GoProは避けていた。なぜかというと、いつまで待っても頑としてローリングシャッター方式を採用しつづけるため、セスナのコクピットから前方を撮影すると、プロペラがみっともなく曲がってしかもばらばらに分裂してしまうから。しかし、GoPro程度のズームであれば、NDフィルタをつけてシャッタースピードを意図的に遅くすることである程度みっともないプロペラを回避できるということだった。

ただ、サンフランシスコでぶっつけ本番というのも心もとない。そこで、コロンバスに飛ぶとき、使ってみることにした。懸念はふたつあった。バッテリーが持つのか? GoProによるとGoPro HERO 9は2時間連続録画できることになっている。しかし、それは、あらゆる機能をオフにした場合。せっかくだからGPSの記録を残したい。GPSだけオンにした場合のバッテリー持続時間がわからない。それから、オーバーヒート問題。どうも、GoProをダッシュボードに置いた場合、風が当たらないのでオーバーヒートしてシャットダウンしてしまうらしい。どうも熱くなるのはバッテリーらしく、外部から給電すればオーバーヒートしないという情報もある。なので、外部電源でオーバーヒートが防止できるのか? これを試したかった。

いつものようにセスナN37MTのエンジンを始動。ただし今回違うのはVGA解像度のカメラではなく、ダッシュボード上にはGoPro HERO 9が鎮座している。離陸前点検を終えて、USBパワーバンクから電源を取って、録画ボタンを押す。なんと、いきなりGoProはシャットダウンしてしまう。どうやら、iPadが充電できる程度のワット数では足りないらしい。外部給電作戦はいきなり失敗した。仕方ないので、バッテリーで給電して録画する。

バッテリーはGPSを有効にした状態では、律儀に1分あたり1%減っていく。ということは、連続録画可能時間は100分。おそらくサンフランシスコでも間に合うが、余裕を見るならスペアバッテリーが必要だ。

どうも上空にいる間は大丈夫だ。高度8000ftにいる間は普通に録画を続けることができた。しかし、外気温は地上よりもかなり涼しい。コロンバスに近づいて、管制官の指示で高度を下げると、キャビン内は結構暑くなってきた。それでも着陸するまで録画を続けたのだが、滑走路から出て少しタキシングしたところでシャットダウン。バッテリー残量はまだ結構残っていたので、オーバーヒートが原因だった。

これはいかん。ということで、クーリングファンを試作する。たまたまひとつだけ持っていた5Vファンをプラ板の上に固定する。プラバンにはGoProマウント金具がちょうど通るだけの穴を空けて、GoPro本体とマウントで挟むように保持する。


これはプロトタイプ

しかし、サンフランシスコ行きの前にもう一度の長いフライトは予定していなかったので、クーリングファンはぶっつけ本番となった。

なお、GoPro HERO 9のスペアバッテリーは、Best Buyに在庫があったので、出発前日に買ってくることができた。

サンフランシスコ滞在中、二度のフライトを予定していた。わざわざサンノゼまで行かなくても多分近くの空港にもフライトスクールはあったと思うのだが、Nice AviationのKiyoさんのBlogを読んでいたので、サンノゼまで車で一時間走ってセスナを借りる。ピッツバーグのダウンタウンの遊覧飛行をするときも、わざわざ車で一時間かけてビーバーまで行き、そこから自宅上空まで飛行機で戻ってきて、ビーバーに着陸してまた一時間かけて帰るので、同じようなものである。 一度目は、天候の都合でモントレイに向かう。このときは、バッテリーが減ってきたとき、スペアバッテリーに交換した。クーリングファンはずっと回していたが、結構熱くなった。それでも、オーバーヒートによるシャットダウンは無かった。 二度目は、シーフォグが出ているようだったが、ダウンタウンを目指す。サンフランシスコ上空の空域はダンジョンだった。ここが教官に乗ってもらわなくても飛べるようになれたらすごい。いつかそうなりたい。 GoProは、熱くなるのだが、なんとか持ったようだ、と、思ったら着陸直前、ダウンウインドレグに向けて降下中にオーバーヒート!しかし、バッテリーが熱くなるというのは本当だったようで、バッテリーを交換したところ、着陸まで続きを録画することができた。 クーリングファンの効果はあったようだが、80分が限界だったようだ。というか、ダウンタウンから南下するときは日差しの直撃を受けてたから、日が当たる状態だったらもっと短かったかも。 というような話は全開書いた。

そして、夏休みの最後にナイアガラに飛ぶことになっていた。ナイアガラに飛ぶときは、コクピットから正面を撮影しても滝は写らないので、右下を向くようにカメラを設置して、滝に接近してから撮影を開始すればいいから、サンフランシスコ上空を飛んだときほどシビアではない。が、日光が当たってカメラの温度が上昇してしまっていたら、肝心の滝上空では使えないかもしれない。しかも、カメラは機長席から遠い右側に固定する必要があるから、バッテリー交換も楽ではない。

そこで作ったのが、クーリングファン完全版。OSH Cutというレーザーカッティングサービスで、1mm厚の銅板を切ってもらった。そのときの型がこれ。プロトタイプはプラ板だったので、カメラ下面からの放熱を妨げていた。が、銅板だとむしろヒートシンクとして機能して、効果が高いはず。


.SVGファイル

そして、届いた銅板がこんな感じ。角は鋭くとがったままなので、板同士を擦って角を落とす。そして、万力で挟んでぐにゅっと曲げて、完成版がこんな感じ。ファンはカメラの左にしないと、バッテリー交換などができない。状況によって、固定ネジが左側にならなくてはならない場合もあるので、板を少し曲げてネジ用のスペースを作った。


銅板


GoPro HERO 9にアタッチしたところ。

メンテナンスの都合で二度の延期後、8月20日、ついにナイアガラに向けて飛ぶ。コクピット側からは滝がどういうアングルに見えるか事前にはあまりよくわからないので、カンで適当にGoProが下を向くように設置する。フライトプランでは、JHW VOR経由でナイアガラ空港に向かう。GPSで直行してもよかったのだが、エリー湖を超えるとき、岸からあまり遠くに行きたくない。航空法では、岸から滑空可能距離以上離れる場合は救命胴衣の搭載が義務付けられているが、うちのセスナにそんなの積んでない。


エリー湖にさしかかるあたりで撮影開始。現地まで15分程度。だが、滝に近くなってからカメラの操作に気を取られたくない。オーバーヒートせずに撮影を続けてくれればそれでいい。

ナイアガラの滝上空には、あらかじめ決まった周回コースがある。問題は、ローカルなパイロットじゃないと、目標にするランドマークを見つけられないということだ。ひとつの目印がゴルフコースなのだが、ばっちり違うのを見ていた。


そして、カナダとアメリカを結ぶレインボウ・ブリッジ(ナイアガラの滝はしぶきでいつも虹がかかってるからレインボウ・ブリッジ)よりも北に飛ばないことになっている。ちなみに、周回コースの図解では橋のちょっと北を飛んでいるので、本文をよく読んでないパイロットは北にはみ出ているものと思われる。セスナみたいな機首にでかいエンジンがついている機体では、滝に接近するとエンジンに隠れて橋が見えなくなる。というと、直観的には機首を下げて下を見たくなるので無意識に操縦輪を押してしまう。というのは慣れない空港に行くとき、正面に見えるはずの空港が認識できないときもついやってしまう悪い癖なのだが、この点意識してないと、今回みたいに気が付いたらうっかり300ftも高度が下がってたりする。慌てて戻したけど。右回りの周回コースなので、左シートからだと身を乗り出さないと滝も見えない。仕方がないので、「大体このへんか!?」と見当をつけてターンする。

アウトバウンドコース・インバウンドコースのヘディングは明示されていないが、大体250度ぐらいと誰かが言っていた。ので、250度までターン。再度、ゴルフコースを探すが、その辺のパッチが全部ゴルフコースに見えるんだよね。いや、Google Mapで上から見るとわかるんだけど。コクピットから見るといまいちわからん。仕方ないので、ヘディング250度で1分外に飛んでホールディングパターンみたいにする。

合計3度滝の上をまわって、KIAG、Niagara Falls International Airportに着陸した。録画時間は30分程度と短かったが、外気温は30度越え。それにもかかわらず、GoProは触ったときまだ冷たかった。クーリングファンは確実に効果があったようだ。


カナダガンとカモメ。なにもそんなに端まで行かんでも。

ナイアガラ名物の虹になんとか間に合った。

毎回GoProを使って動画を撮るとディスクが溢れてしまうので、日ごろのフライトはVGAクオリティにしておくが、これから特別なフライトのときは、クーリングファン付きのGoProでコクピットからの動画を撮ることにしよう。

2021/08/07

サンフランシスコで食って、買って、走って、飛ぶ。

サンフランシスコに9日ほど滞在してきた。

日本ではアメリカに比べれば無のような感染者数にも関わらずなぜか医療が崩壊していて大変そうだが、アメリカはほとんど元通りになっている。デルタ株の懸念はあるものの、共産主義者が作った偽ワクチンを除く本物のワクチンはデルタ株に対しても死亡・重症を予防する高い効果が確認されている。死亡・重症・後遺症を防いでくれれば十分で、感染したところで重大な健康被害が無いのであればどうということはない。後遺症に関するデータ、感染後6週間持続で後遺症とするのか3か月で後遺症とするのか、どの症状まで後遺症に含めるのかがバラバラのため、見て何か結論を引き出すことができるデータがまだ無い。自分は7週間で症状が消えるのであればとくに気にしない。インフルエンザでもこじらせると結構長い間症状が完治しないことはある。研究の中には、気にしなくてもいいのではないかと思う軽微な症状まで後遺症に含めているものがあり、悪意しか感じなかった。後遺症に関するデータがあてにならないとはいえ、死亡と重症だけ防いで後遺症だけ防がないということは多分考えにくいだろう。トータルで考えて自分が旅行に行ってCOVIDによる重篤な被害を受けるリスク、あるいは自分が誰かにCOVIDをうつして被害を与えるリスクは低い。

食って、買って、走って、飛んだ9日間だった。まず、内陸のピッツバーグに住んでいるから海辺で魚を食うというのが何より楽しみだった。多分わざわざサンフランシスコまで行かなくても、ピッツバーグの少し高級なレストランに行けばおそらく同じ味の魚は食える。が、人間の感覚というのは環境によって大きく影響を受けるもの。サンフランシスコの海辺でカモメの声で目が覚めて潮の香のするレストランで食うと同じものを食べてもまったく美味く感じるものだ。(観光地補正)

9日間の滞在中、一日を除いて毎日BOUDINで朝を食べた。BOUDINはフィッシャーマンズワーフの老舗でサワドーで有名。クラムチャウダーもクラブチャウダーも美味かったし、クラブケーキも美味かった。長い滞在だったので、一日おきに遠出するようにして、遠出しない日はホテルの近くを散策することにした。ホテルはフィッシャーマンズワーフに取ったので、ジャパンタウンまで車で15分程度。遠出しない日は紀伊国屋に入りびたり、タコヤキを食った。


BOUDINの朝飯。この際カロリーとか考えない。食った分運動すればいいだけだ。

なお、今年は航空ショー用のカメラを新調したので、サンフランシスコに行くなら現地で試し撃ちしようと思ってOlympus E-M1Xと100-400mmレンズを担いできた。サンフランシスコの海辺のペリカンを撃ってみることにした。とくにE-M1Xには野鳥モードがあるので、その性能を見てみたい。とりあえず、何も考えずにプログラムモード+野鳥認識機能で撮ってみたのだが、結構失敗写真が多かった。見上げるアングルのときは背後が空でシャッタースピードを上げてくるのでいいのだが、見下ろすアングルのときはほぼ全滅。M1Xの手振れ補正機能はE-3よりもずいぶん進化していてカメラを振りながらの撮影を認識して、振っている方向には手振れ補正をかけないようになったのだが、それでも撃ち下ろしのときは背景が暗いので、測光を中央に限ってもどうしても影響を受けてシャッタースピードが落ちて、さすがに補正しきれないようだ。鳥が適切な明るさに写ればいいわけなので、シャッタースピードはもっと速くていいはずなんだよね。でも、決まったショットはシャープに撮れていた。もう少し使いこなせばいい写真が撮れそう。


ペリカン。前来たときより多くいた気がする。

滞在中、3度サンノゼに行った。1度は、おととしCMUを卒業した学生さん(とその婚約者)と会うため。なお二人とも同じ時に卒業している。彼は、僕が過去21年間CMUで見た中で上位1位か2位の優秀な学生さんだった。別に日頃からテキストは通じるのだが、久しぶりに会って話すのは楽しかった。元気そうでなによりだった。彼は、複数のCPUに通じていて、FPGAプログラミングもできて、ハードウェアもわかるから、まさに隙が無かった。ハードウェアで何か疑問が出るとまず彼に聞くと大体解決する。こういうあり得ない優秀な学生さんと出会って、いろいろ学ぶ機会があるというのはカーネギー・メロン大学のユニークなところと言える。

サンノゼまではホテルから車で一時間ほどなのだが、このとき、ついにSEGAのOut RunのBGMでカリフォルニアのフリーウェイを走るという目標達成。サンフランシスコには何度か来ているのだが、なぜか今まで実現していなかった。今度はピッツバーグを出る前にiPhoneに「SEGA体感ゲームスペシャル」と「Out Runサウンドトラック」をコピーしておいた。その学生さんと共通の見解で、Out RunのBGMは運転のBGMとして非常に適している。またラテンの乗りがカリフォルニアのフリーウェイにはぴったり合う。カリフォルニアのフリーウェイは普通に4車線とか5車線あって、交通量も半端ないので、本当にOut Runの感覚であった。弘前のゲーセンでプレイしたのは1988年だったと思ったが、33年もたつとずいぶんビジュアルがリアルになったなあ。(ではなくて本物だ!)また、ピッツバーグも橋の多い都市だが、サンフランシスコベイをまたぐ大きな橋はスケールが違う。滞在中、ゴールデンゲート、ベイブリッジ、サンマテオ、ダンバートンは渡ってみた。道路の左右が海というのはピッツバーグには無い感覚でおもしろかった。


Bay Bridge。初めてiPhoneのSiriを使ってみた。"Say Cheese"をインストールしておくと、声だけで写真撮ってくれるのね。

なお、Out Runのサウンドトラック。



残りの二度のサンノゼは、リード・ヒルビュー空港のナイス・エアというフライトスクールからセスナで飛びに行った。前回2017年の12月に行ったとき、ベイ・ツアーというコースを飛んだのだが、あれは良かった。また、この間ピッツバーグのダウンタウンの花火を見に飛んだときのあまりの絶景に、これからは特別なフライトのときは高解像度のビデオを撮ろうと思ってGoPro HERO9を買った。(なお100-400mmレンズはセスナのコクピットではとても取りまわせないのでホテルに置いてきた)

GoPro HERO9をセスナのダッシュボードに搭載する場合、オーバーヒート問題が出るらしい。いきなりサンフランシスコで使って失敗しても嫌なので、事前にコロンバスまで飛んで実験することにした。なんでも、GoProのオーバーヒート問題はバッテリーの過熱が主要因なので外部電源を使えば問題ない、ということだった。ということで、試しに外部電源だけで録画しようとしたのだが、なんと持ってるUSBパワーバンクはiPadを普通に充電するだけの電力を供給できるのにGoProを駆動するほどの電力が出ないらしく、録画ボタンを押した途端にGoProがシャットダウンしてしまった。仕方ないのでバッテリーで録画したところ、上空で気温が低いうちは割と大丈夫のようだが、着陸して滑走路を出たあたりで熱でシャットダウンしてしまった。オハイオでこれだとカリフォルニアの強い日差しでは心もとない。

ということで、即席でGoPro HERO9のクーリングファンを作った。クーリングファンをバッテリーで駆動することで、過熱を少なくとも遅らせることができないか。離ピツまでにもう一度飛ぶ余裕は無かったというか実験したのは出発二日前だったので、その効果は本番で実験することになった。


GoPro用クーリングファン試作

なったのだが、現地に来て問題発生。うちに何本もあるマイクロUSBケーブルのうちの一本を持ってきたら、よく見たらマイクロUSBじゃない。しかもマイクロUSBの穴に入るから悪質。そして、ケーブルが違うからモバイルバッテリーの充電ができない。多分このケーブルは、以前実験用に使ってたAndroid Phoneの高速充電ケーブルじゃないかと思うんだけど。これではクーリングファンを駆動できないので、仕方なく近くのTargetにケーブルを買いに行く。Targetというのは日本で言うところのイトーヨーカドーみたいなチェーン店。支度を忘れて現地で高いサプライ品を買うのは非常に敗北感が漂うのだが、$5のケーブルが品切れで$10のケーブルを買わなくてはならなくてさらに敗北感が高まってしまった。が、とりあえず充電できるようになった。


なんだこのコネクタは? なんでよりによってこれを持ってきたものか。。。

ナイス・エアで借りたのはセスナ172、N227AN。なんと、「朝日航空」と機体に書いてある。過去日本の空も飛んだことがある機体らしい。ここ2年ばかりずっとグラスコクピットばかり操縦していたから、果たしてアナログ計器のセスナの飛ばし方をまだ覚えているか?


朝日航空?

なお、サンノゼ、サンフランシスコエリアは、地元ピッツバーグに比べるとはるかに空域が複雑にできている。ヒルビュー空港のすぐ西にはサンノゼクラスC、サンノゼクラスCと重なるようにサンフランシスコクラスBというか北カリフォルニア(Norcal)クラスB。そして空域内にはサンフランシスコ国際空港を離着陸するエアライナーを含めものすごい数の飛行機が飛んでいる。当然、ピッツバーグ程度の経験値では対応できないので、教官に乗ってもらう。今回は、台湾出身の元気のいい教官が乗ってくれた。

当初の予定では、最初にベイツアーを飛び、次にアップル本社の上を飛んでみたいということになっていたのだが、初日サンフランシスコダウンタウンとゴールデンゲートブリッジ付近が霧に隠れているため、最初にアップル本社上空を飛ぶことにした。下はそのときのビデオ。GoProに投資しただけの価値はあった。

航空無線は、IFRはかなり標準化されているが、VFRだといまいち細かい部分が標準化されてない。空港ごとのローカルルールが結構多い。ローカルルールを知らないと飛べないかというとそうでもなくて、管制官はローカルルールを知らないパイロットと思ったらそれに合わせてくれるのだが、知ってる方がいろいろスムーズになる。例えば、僕が自家用の訓練をしてた当時のチャンドラー空港では、タキシングのクリアランスをもらうときは、単に「Chandler Ground, Cessna 19015 at Sunbird, Ready to Taxi for Take off with Alpha.」のように、自分の現在位置とATISのコードを伝えるが、どっちに飛びたいとかの意図は聞かれない限り言わない。で、離陸するときに「Chandler Tower, Cessna 19015 ready to take off 22L, southbound departure.」みたいにどっちに飛ぶかを言う。アレゲニー・カウンティもそうだった。

ホームグランドのビーバーの場合は、「Beaver Ground, Cessna 37MT at east hangar, ready to taxi for take off eastbound departure with Bravo.」みたいに、タキシングに出るときに意図を伝え、離陸するときも「Beaver Ground, Cessna 37MT, ready to take off 28, eastbound departure.」みたいに、再度意図を伝える。

ここヒルビューでは、タキシング時に意図を伝えるが、離陸時は言わない。なので、タキシング時「Hillview Ground, Cessna 227AN at Discovery, ready to taxi for take off for Bay Tour San Jose C transition.」、離陸時は「Hillview Tower, Cessna 227AN, ready to take off 31R.」だけ、とのこと。

なお、前回2017年は、ビーバーで話すときぐらいの普通のペースでHillview Groundをコールしたところ、すんごく早口で応答されて往生したので、今度は、スキルを発動「管制官にゆっくり話すと、ゆっくり応答してくれるの法則」で、めいっぱいゆっくり喋ったところ、今回はばっちり聞き取ることができた!なお、飛行機の訓練で無線交信に苦労している人は、管制官にゆっくり話しかけるスキルを得ると管制官もつられて(?)ゆっくり応答してくれるので、試してみよう!なお、僕は本質的に早口なのだが、そういう場合は単語と単語の間にスペースを入れるといい。

タキシング、ランナップは大体スムーズで、おお、まだアナログ計器も忘れてないじゃん、といい気になる。離陸すると、サンノゼ国際空港の管制官と話す前にクラスCに入ると怒られるので、ハイウェイの右側(東側)を飛ぶようにとのこと。問題は、カリフォルニアの道路はどれも広くて違うハイウェイを簡単に見間違えるという点だ。何度か飛べば覚えるんだろうけど、Hillviewからの離陸はまだ二度目だけに最初はばっちり違う道路を見ていたが、そこはさすが地元の教官はすぐに修正してくれた。


僕がハイウェイと思った道はただの道だった。

アップル本社はサンノゼ空港を超えてすぐ左手にあった。アプローチコースからははずれているので、サンノゼの管制官はすぐに許可をくれた。アップル本社上空を二度ほど旋回する。その後、それで帰るのもつまらないので、モントレーの海岸線を遊覧飛行する。カリフォルニアの海岸線はとても綺麗で、一生に一度は空から見といた方がいい。とくにモントレー湾の海岸線は美しい。海面は大半シーフォグに隠されていたものの、それも隙間から見える海岸線に花を添えていた。その後、生きる伝説のアクロバットパイロット、ショーン・D・タッカーのホームベースのサリナス空港の上空を飛び、ヒルビューに帰ってくる。コースをFlight Plan Goで記録しようと思ったら、iPad miniがオーバーヒートしやがって途中までの経路が消えちゃった。ピッツバーグ周辺で飛んでるときは、ひざの上に置いたiPad miniがオーバーヒートしたことはなかったのだが、カリフォルニアの日差し、おそるべし。


Apple本社


モントレー付近

ランディングは、悪くは無かったけどもうちょっとスムーズにしたかった。自分の頭の中ではレベルオフしてまだ滑走路スレスレで浮いてるつもりの間に接地してしまったんだよね。考えてみるとセスナの旧モデルは新しいモデルよりも少し背が高いように思う。Mモデル乗ったときもそうだったもんな。次のフライトでは修正してやる、と思った。

楽しいフライトだった。なお、GoProはオーバーヒートしなかった。

次の日は近場にして、また紀伊国屋に入り浸る。「トランジスタ技術」って雑誌まだあったんだ!と感動して、置いてある最新号と先月号を大人買い。あと日本の本が買えるときは必ず買っている「航空ファン」もゲット。あと「ゴルゴ13」を3冊ばかり買った。

次の日。我が妻がIrish Coffeeで有名というBuena Vistaに行ってみたいというので朝からIrish Coffeeを飲む。美味かった。サンフランシスコには美味いものが多すぎる。胃袋が足りない。モントレーに行ってみたいという話だけしていたのだが、前日モントレー水族館のチケットに空きがなく断念していたのだが、朝飯を食べながら再度調べてみたら空きが発生していたので、急遽モントレーまで行くことにする。酒が入ってしまったので、1時間程度間を開けて出発。酒が入ったといってもコーヒーで薄まった酒だから一時間空ければ酔いは覚める。なお、アメリカの飲酒運転の基準は0%じゃないから十分酔いが醒めてたらOK。飛行機の操縦は醒めてようが醒めてまいが飲酒後8時間禁止だけど。


美味すぎるIrish Coffee

二日前上空を飛行機で通ったあたりを今度は車で走る。2時間半のドライブはやや疲れたものの、Out Runがかかっていれば無限に運転できそうな気がした。モントレー水族館はみんなマスクしてる以外はコロナって何? というレベルの混雑だった。売店で、ハリーポッターのパロディーで、「Hairy Otter」(毛深いラッコ)というTシャツが売っていて、思わず買いそうになったが、やっぱり買わなかったのだが、やっぱり買ってくればよかった。次行ったときあったら買う。この人数でデルタ株に接しなかった確率はほぼ0と言えるのだが、上にも書いたけど死亡・重症・後遺症を抑えてくれればそれでいい。誰かがワクチンを拒否して死ぬことがあっても、僕が何かできるわけではないし、知ったことではない。帰りは風光明媚とされるルート1をずっと北上してきた。風光明媚だった。


モントレーのペリカン

これは帰り道だったかな?

晩は、Cioppino'sなるレストランに入ってみる。フィッシャーマンズ・プラッターを頼んだのだが、美味い。美味すぎる。


美味いもの多すぎ。

次の日は、8月2日。ナイス・エアーの教官からテキストが入って、天気がいいから予定を一日早めて今日飛んではどうかということなのだが、前日長時間ドライブしたことを考えてやっぱり一日休むことにする。空から行く代わりに、ゴールデンゲートブリッジを地上から見に行くことにする。ホテルからだと車で20分かからずに観光スポットに行くことができた。さすが、でかい。フォート・ピット・ブリッジとはスケールが違った。その後はジャパンタウンでたこ焼きを食い、また本を一冊買ってホテルに戻る。帰ってすぐ大事なミーティングがあるんで、資料作る。


まさかポールポジションがプレイできるとは思わなかった、MUSEE MECANIQUE


ゴールデンゲートブリッジ。やっぱりでかい。

そして、最終日。ナイス・エアーからベイツアーを飛ぶことになっていた。が、朝起きるとフィッシャーマンズワーフ上空は霧がかかっている。サンフランシスコの夏はこんなにシーフォグが出るとは。お前は航空祭当日の松島基地か!と、思ったが、ホテルを出るころには青空も覗き始めていたので希望を持ってヒルビューに向かう。

サン・マテオブリッジからベイブリッジはクリアに見えて、その後方に、もう少し色の濃い橋も見えたので、ゴールデンゲートブリッジもクリアか?と、思ったが、アングル的に違う橋だった。

どうもゴールデンゲートブリッジは霧の中のようだった。海面スレスレのシーフォグの上に橋が浮かんで見えるような状況だとまるで空にかかる橋のようで見事だろうと思ったけど、ホテルを出る時点でベースはかなり上がっていたからそれはあり得なかった。まあそれでもダウンタウンも見れるだろうし、飛ぶことに意義がある(?)ので、行ってみることにする。

まずHillview Groundとのコンタクト、ランナップとも順調。サンノゼタワーともうまく交信できて、今度は北に向かう。順調。南方向なら単独でも飛べそうな気がしてきたな。だが、北の空域は例えるなら新宿駅。空のダンジョンと言っていい。サンフランシスコ国際空港が近づいてくると、急に管制官が忙しくなった。我が「管制官にゆっくり喋る」スキルではゆっくり応答してくれない!それと、管制官が「Stay east of SFO」と言ったのだが、それだとどんどん飛んでくるエアライナーのアプローチコースを横切ってサンフランシスコ国際空港の反対側、海側に出なくてはならない。というのはどう考えてもおかしいので「Confirm stay east of SFO?」と聞いたところそうだと言うのだが、教官がハイウェイを右に見るように飛ぶという意味か、と聞いたらそうだと言うので、とりあえず西か東かは聞かなかったことにして先に進む。途中ハイウェイがくねっと曲がってどれがハイウェイなんだかよくわからん個所があったから、こういうとこは地元の教官に乗ってもらわんとわからん。

そして、ダウンタウンを通過。サンフランシスコのダウンタウンの上空を飛ぶのは去年FM TOWNS用ストライク・コマンダーで空爆ミッションを飛んで以来だ。なお、ストライクコマンダーではゴールデンゲートブリッジの下をくぐることができることをFM TOWNS版で確認したが、航空法違反だけにセスナではしない。(https://www.youtube.com/watch?v=N14XGFgwQjQ&t=37s) けど、前日ヘリが下くぐるところを目撃したような。我がホテルの上空当たりまでやってくると、ゴールデンゲートブリッジは半分だけ見えていた。まあ、こういうのも悪くない。海の上で1300ftまで下げる。1300ftだとピッツバーグだと地上200ftだが、さすが洋上! 1300ft MSLは1300ft AGLだった!すべてが楽しい! ダウンタウンの方を見ると、目に飛び込んできたのは三角形で先端がとがったビル。このビルは実在したのか!この三角形のビルは、ストライク・コマンダーのミッションで登場するのだが、英語で「Pointy top building」と言っているのを日本語版では「摩天楼のてっぺんに」と誤訳していたため、英語のボイスを聞いて理解してないと、どのビルのことだかわからなかったというビルである。これって何の建物なんだろう? と、思って調べたところTransamerica Pyramidというものらしい。(https://en.wikipedia.org/wiki/Transamerica_Pyramid)


ん? このビル、Strike Commanderに出てなかった?

待って。津軽で確認したら、ストライク・コマンダーのゲーム中でもトランス・アメリカのビルってなってるんですけど。ゲーム中でこのビル空爆しちゃってるんですけど。トランス・アメリカ社は実在するんですけど。今のゲームだったらトランス・アメリカ社から苦情が出そうだな。


はっきりトランス・アメリカって言ってる

ストライク・コマンダー内チャート。


たしかに、三角のビル。

シーフォグの合間からアルカトラズ。

多分これがちょうど泊ってたホテルの真上ぐらい。

シーフォグから半分見えるゴールデンゲートブリッジ。

帰路はオークランド側を飛んでヒルビューに戻る。途中管制官がランドマークをいろいろ指示するのだが、やっぱり地元民でない僕にはわからないので、教官に乗ってもらわないと無理だった。「Toll gate」と言ってたらしいのだが、これは何と言われたのか聴き取れなくて、あと「Coliseum」と言われたのはわかったがどれがコロシアムなのかわからんかった。やっぱり、単独ではこのサンフランシスコのダンジョンを無事に飛んでくる自信無いが、いつかできるようになりたい。

ランディング直前、ダウンウインドに向けて降下中ににまだ20%程度バッテリーが残っているのにGoProがシャットダウン。どうやらオーバーヒートらしい。バッテリーを取り出すとかなり熱くなっていた。カリフォルニアの日差しにはクーリングファンも間に合わなかったか。が、予備バッテリーを入れるとまた録画できたので、最後まで撮影できた。

フレアをちょっとだけ高めにしてみたつもりで、今度の接地はわりとソフトにできた。Private Pilotの訓練では、フレアは滑走路スレスレに水平に飛んで、ストールすると接地、と習うけど、ソフトに接地させようと思ったら、水平にしてからやんわりと降下していくといい。このときの高さ加減をうまく取れるとほぼ衝撃の無い着陸ができるんだけど、さすがに毎回はそこまでソフトな着陸はできんけど、成功するとうれしい。

ダウンウインドレグがずいぶんワイドに見えたのだが、それもそのはず。降りてからビデオ見て気が付いたけど、Hillviewの2本の滑走路は結構間隔が狭い。これはベースからファイナルでオーバーシュートすると反対側の滑走路のアプローチパスにはみ出て危ないから、ワイドにして余裕を見た方がいいんだな。


滑走路の間隔結構狭い

降りてヒルビュー・グランドから「Taxi to Discovery via Zulu.」と言われたのだが、目の前だったんで単に「Taxi to discovery.」と復唱したのだが、教官から「via Zuluね」と怒られる。ごめんなさい。最近、出ていくときは「28 via Alpha」みたいに言うんだけど、帰りにTaxiwayの復唱を省略する癖がついてたけど、たしかにいかんので、これからなるべくきちんと復唱しよう。ビーバーだと基本的にどこで滑走路を出ても「via Alpha」なんだよね。慣れとは恐ろしい。

着陸後はサンノゼ、ミツワの隣のParis Baguetteで遅めの晩飯にする。ピッツバーグには、La Goumandineというベーカリーができて、ベーカリーのクオリティが爆上げになったとはいえ、日本クオリティのベーカリーはやっぱり美味い。



晩はまたCioppino's。この際カロリーは考えない。食った分運動して対抗する。

1年半ピッツバーグに引きこもった後なこともあり、なにもかもが楽しい旅行だった。ベイツアーではゴールデンゲートブリッジが半分隠れていたから、また次回もトライしよう。

ワクチン接種した人だったら日本からアメリカに海外旅行に来ることはもう可能なんだよね。多分。というかリスク覚悟してるんだったら接種してなくても来れるけど、接種証明無いと食べさせてくれないレストランとかあるから接種して接種証明を持ってきた方がいい。問題は日本に戻ってから二週間の隔離なんだよな。ワクチン接種済みの人は隔離免除にすればいいのに。

サンフランシスコかサンノゼに来るときはナイス・エアーから絶対ベイツアーを飛ぶべき。なお、連絡先はhttp://www.niceairaviation.com/

ナイス・エアーは日本人の学生さんを多く受け入れているフライトスクールでチーフパイロットのKiyoさんをはじめ日本語でコミュニケートできるスタッフが多いので、多分メール連絡も日本語でできるんじゃないかな。

2021/07/05

独立記念日の花火 (と、ついでにどうしてビーバー空港は夜間見つけにくいのか)

7月4日の独立記念日の花火を空から見る。これを一度やってみたかった。以前はフライトスクールから飛行機を借りていたので、スクールが閉まる祝日は飛行機を借りることができなかった。が、今はビーバーのフライングクラブに入ったから、飛行機の予約さえできれば自分で飛行機を引っ張り出して飛ぶことができるようになった。そういうわけで、ついに7月4日の夜間飛行が実現した。

眼下に広がる景色は、日本語でどの形容詞を使えばいいのかわからないほど美しかった。どっちを見ても花火が上がっている。アメリカ合衆国は完全に通常復帰。コロナ終了のお知らせ。なお、直近のデータでデルタ株にもファイザー・モデルナ・J&Jのワクチンがかなり強力に効くらしいというデータが出ているので、フルにワクチン接種が終わった人はとりあえずデルタ株も怖くないようだ。(たしかNBCニュースでアメリカ国内の全新規感染者の30%程度は既にデルタ株であるにもかかわらず、USA Todayによると直近のコロナ死者数の99%はワクチン未接種。つまり株に関わらずワクチンは死亡率を劇的に下げている。)日本も速くワクチン接種を進めて日常が戻るといいけど。 ダウンタウンの花火は感動的だった。花火が足の下で炸裂するという時点ですでに非日常感大爆発なのだが、飛行機から見るとピッツバーグの川の水面に花火が反射して見える。これは空から見ないと見えなかった。また、ダウンタウン以外でもどっちを向いても花火がありとあらゆる場所から撃ちあがっている。比較的大きな花火が見えていたのは多分Monroeville Mallの花火大会だったのではないかと思う。そのほかにもDormont, Waterworks, Fox Chapel, South Sideの花火大会、そのほか個人的に上げている花火も数多い。なお、アメリカでは結構派手な花火も一般で買うことができる。事故が起こると被害も甚大だけど。セスナは空中で停止できないからぐるぐる回りながら見ることになるが、ダウンタウンの反対側を向いた時も、どっちを向いても花火が見える。

ダウンタウンの花火が終わって、Allegheny County Airportに給油に降りるときも、個人で上げてる花火はまだかなり多く上がっていて、撃墜されるかと思った。対空砲を避けるためにかなり急角度のアプローチをしたので着陸が結構難しかった。が、Allegheny Countyは6500ftの滑走路でセスナの必要な着陸距離の3倍以上あるから余裕があった。難しい夜間着陸もおもしろかった。

そして、給油後ビーバーに戻ってきたわけだが、そういえば、ビーバーは夜間に発見するのがやたら難しい。なんでかと思ったんだけど、原因は、空港の回転灯(Rotating Beacon)にあった。夜間空港を探すときは、回転灯が数秒間隔でチカッ、チカッと点滅するのを探す。真っ暗なところに数秒に一度光が発生することになっている。

とことがビーバーの場合、違った。次の写真赤い矢印がビーバーの回転灯。これは灯りが機の方を向いて明るくなったとき。

そしてこれは暗くなった時。

本来であれば、回転灯が暗くなった時は真っ暗でなくてはならない。ところが、ビーバーの場合、何か明るいものが回転灯のすぐ近くにあるらしく、見かけ上回転灯は完全に暗くならない。何か光ってるものがあって、その明るさが変化する感じ。ということを最近やっとわかったので、夜間も割と遠くからビーバーを発見できるようになった。

2021/01/05

喪中につき新年のご挨拶は差し控えさせていただきますが、今年もよろしくお願いします。

とりあえず今のところ、

総飛行時間 713.4

総着陸回数    1840

夜間着陸回数    154

機長時間    630.4

単独飛行    141.9

機長としてクロスカントリー    214.4

夜間機長時間    39.7

同乗教育    286.4

同乗教育クロスカントリー    30.5

夜間同乗教育    26.3

フードによる計器飛行訓練    111.1

実計器飛行    12.0

計器進入    285回

ホールディング   55回

飛行訓練装置時間    5.3

撃墜した野鳥    2羽 +撃墜不確実1羽 (南無阿弥陀仏)

と、なった。去年はクラブに入ったからいろんなとこに飛んでいこうと思っていたのにコロナの影響でローカルの技量維持にほとんど集中してしまった。今年はいろんなとこに行きたい。

[2020年分へのリンク]

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